粘り強く交渉するしかない。なんとか一ドル八千リェルにはなったが、彼らはこれが限界だと口をそろえた。「去年あたりから、イランとアメリカの仲が急に悪くなったんだ。例の核査察の問題でね。だからいま、イラン国内の両替レートはかなり悪い。一ドル六千リェルさ。八千リェルは破格なんだよ」眉に唾をつけてなくてもいいものかどうか……。イランが西側諸国の核査察を拒んでいることは日本でも連日のように報道されていた。いま、起きているイラクでの紛争の発端はやはり核査察をめぐる攻防だっただけに、報道は緊迫していた。
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しかしだからといって、ドルとの両替レートが悪くなるという理由にはならなかった。結局、僕らは一ドル八千五百まであがったところで手を打った。