いい大人が人前でベタベタするのはともかくとして、せめて夫婦二人きりのときぐらいは、堂々と愛情を表現してもいいのではないか。夫婦水いらずというが、よそから水が入りこまないような場所では、夫婦はもっとリラックスしていいと。私は思う。そうして、堂々と愛情を表現することが、きっと夫婦関係を円満にすることだろう。やはり愛情の表現は多少キザでも、思い切って表現する必要がある。どうせ、夫婦生活は一生続けなくてはいけないドラマであり、夫も妻もそのドラマを演じる役者なのだから、照れる必要はまったくない。ただし、いつもいつもキザな愛情表現で女房のご機嫌とりをしろというのではない。どんな表現もマンネリになってしまうと、効果が薄れてくる。だから、たまにやることが肝心だ。あるとき、私は女房からネクタイをプレゼントされたことがあった。しかし、このネクタイは、私の持っている背広には合いそうもなかった。だが、私はせっかくプレゼントしてくれた気持ちを汲んで、「ネクタイは自分で選ぶから、そのぶん、愛情をよこせ」と言った。キザかもしれないが、こんなセリフで女房を感動させることもたまには必要なのだ。